舞台照明的に、ダイコクドラッグ百万遍店を偲ぶ

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去る2021年8月16日、京都大学にほど近い、ダイコクドラッグ百万遍店が閉店となりました。

なぜそれを当ブログで取り上げるのかと言うと、私が学生の頃、この薬局に舞台照明的な意味で頻繁にお世話になっていたからです。その思い出話をしたいと思います。

2階に100円ショップが併設されていた

このダイコクドラッグ百万遍店は、1階は薬局でしたが、2階は「ダイコクドラッグの一部」ということになっていましたが実質的には100円ショップになっており、DAISOやセリア等のいわゆる100均とほぼ変わらない品揃えを有していました。

お菓子、文房具、簡単な工具などなど……

これが演劇の現場には細々役に立つわけですね。ちょっとした懐中電灯とか、受付用の事務用品とか、ケータリングのお菓子とか。

京大の演劇サークルの場合、主に西部講堂・吉田寮食堂・文学部学生控室 (ブンピカ) のいずれかで公演をするわけですが、いずれもちょっと現場を抜け出して買いに行ける距離感だったので重宝していましたし、人間座スタジオアトリエ劇研といった小劇場へ行くにも、自宅からの道中で百万遍交差点を通る場合は、このダイコクに立ち寄ることが多くありました。

そんなわけで、“地味に” (ほんとうに地味に……) 京大近辺の演劇サークル御用達だった「ダイコクの2階の100円ショップ」。

私は当然、在学当時から舞台照明をやっていたので、特に舞台照明的な意味でお世話になった商品を2つ紹介したいと思います。


1mの延長コード

今でこそ、100円ショップで延長コードと言えば、DAISOのように300円程度の「100円じゃない枠」で販売されていますが、ある時期までは1m~1.5m程度の延長コードが100円で売られていました。

これが、ちょうど学生演劇界隈で LED PAR や DP-415 などの平行プラグの機材が流行り始めた時期と重なっており、それまでT型一辺倒だった照明現場に、平行の延長コードの需要が発生しました。そこで、金欠学生照明家だった私や先輩はこぞって (?) この激安延長コードを買い求めたのであります。
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▲当時購入した延長コード。黒いのや、3口のもありました


さらに邪悪なことに、この延長コードを半分で切断して、T型のプラグやコネクターを取り付けて変換コードにするということも行われていました。このようにすると、1本 (100円) の延長コードからT―平行変換、平行―T変換の2本が錬成できるためです。
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▲圧着端子を取り付けて…

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▲平行―T型変換を作る。しかもメス側が露出コンセントって、真似しちゃダメです。本当に物が無かったんですね……

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▲多少は正しい例 (コードコネクタを使っている)


この既製品を切断して変換コードを作る路線は、一見かなり野蛮なように見えますが、基本的に学生劇団のケーブル作成スキルは低く、圧着も巻締結線もうまくできない人が多いので、却ってこういう作り方のほうが (端末処理の回数が少なくて) 安全という事情もありました。


コードのスペックは確か、2012年頃までは「長さ1.5m・太さ1.25㎟ (許容電流12A)」のVFFコードで、その後「長さ1.0m・太さ1.8㎟ (許容電流15A)・二重被覆」に切り替わったと記憶しています。1.25㎟の頃はかなりヘロヘロで心許なかったのですが、長さを犠牲にして15A対応し、コード自体も丈夫にした形ですね。
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▲2013年、1.8sqの表示


その後、2015年にセリアが延長コードに発火の恐れがあるとしてリコールを出して以来、他の100円ショップでも100円では販売されなくなり、より安全性を高めて200~300円程度で再発売するようになった……、という流れだったと記憶しています。

もう、過去の思い出話ですね。



100円の電球型蛍光灯

もう1つ思い出深い商品は、電球型蛍光灯です。

今でこそ、LED電球が安価に買えるようになりましたが、その昔、まだまだLED電球が高価だった頃は、白熱電球の代替としては電球型蛍光灯がよく使われていました。

その電球型蛍光灯時代の最末期とも言える2012~2013年頃、なんと100円ショップで100円の電球型蛍光灯が売られていた時期がありました。


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↑こんな形の極めてシンプルな電球型蛍光灯で、40W型 (8W)、60W型 (12W) が両方とも100円だったと思います。


これを舞台照明に使用したことが1回だけありまして。


2012年の京都大学11月祭 (NF) で、BRUFFという服飾団体が時計台の前で野外ファッションショーをやったんですね。映像も残っていました。


これの照明を先輩と2人でやっていたのですが、時計台の建物から電源を引いてくることが許可されなかったので、2.8kVAの発電機2台と、模擬店屋台の電灯線を間借りさせてもらう程度で、要するに電気容量がジリ貧でした。


なおかつ、当時は十分な明るさの出るLED PARなども持っていなかったので、苦肉の策でストリップライトに、ダイコクドラッグで買った100円の電球型蛍光灯を入れて使用したんですね。

ストリップライトって、こういう短尺のローホリみたいなライトのことです。
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これに電球型蛍光灯を入れて、時計台前のクスノキのライトアップに使ったんですよね。

当時の図面もあります。「フットライト6灯式」と書いてあるのがそれです。(※図面上の「電球型蛍光灯」は、ここで話題にしているのとは違ったタイプの機材です)
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技術的にも機材的にも未熟だったので、こういうギリギリの工夫で、どうにか回していたような現場もしばしばありました。今となっては良い思い出です。



まとめ

ダイコクドラッグ百万遍店と舞台照明の意外な関係について思い出とともに振り返りました。
京都の (しかも左京区の) 土地勘が無いと「何のこっちゃ」の話だと思いますが、へたくそなエッセイのようなものとしてご笑覧いただければ幸いです。

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