【機材レビュー】AmericanDJ FS600LED ピンスポットライト

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ADJのLEDピンスポット「FS600LED」の使用感のレビューです。
FS600LED_01

基本スペック

【機種名】FS600LED
【メーカー】American DJ

【消費DMXチャンネル数】
3ch (明るさ・カラーチェンジャー・ストロボ)
※スタートアドレスは「1」で固定
※DMX不使用でも本体に付いている操作パネルで手動操作可能

【LEDの種類】
60W白色 (クールホワイト) LED

【照射範囲】
18°~26°


【灯体の大きさ】
体感的にはソースフォーに近い
ソースフォーを四角く箱型にしたイメージ

【各種設定画面】
設定画面や7セグ表示器は無し

良いところ悪いところ

◎フェードイン、フェードアウトともに滑らか

◎持ち運びに便利な、ピンスポとしては小さめサイズ

◎ボディは磁石が付く。照準器や進行表を留めておくことが可能

―操作パネルでカラーチェンジ操作が可能。初心者には良いかも

―なぜか、ソースフォー同様の四辺カッターがある

△バランスが致命的に悪く、首が据わらない

△アイリスが閉じ切りできない

△カラーチェンジボタンがメカ的に安物で、押すと戻ってこない

△内蔵の電球色 (3200K) フィルターはアンバー味が強く不自然

△レンズ前面にフィルタースロット (色枠受け) がない

△アイリスにピントを合わせると多角形であることがバレバレ

△照射角18°~26°はピンスポとしては広すぎる

△総じて、ピンスポの何たるかを理解せずにソースフォー等のプロファイルスポットの応用として作った印象

FS600LED_02

コメント

本機種が発売された2014年時点でLEDのピンスポはまだまだ未成熟の市場であり、日本国内でピンスポに定評のあるウシオライティング、松村電機等はようやく開発を開始したような段階でした。

このため、海外発の雑多な機種が先行しており、本機種「FS600LED」も、そうした時代の一機種ということになります。


ピンスポというのは、デジタル化が進んだ現在でも人が手動で操作するため、多くの「お作法」や「操作のコツ」といったものがあります。詳しくはくらげさんのブログに掲載されている通りです。この記事は大きなホールにあるキセノンピンスポットライトの操作方法ですが、小規模現場のハロゲンピン、LEDピンでも基本的には同種の作法が要求されます。


つまり、ピンスポ灯具の設計にはピンスポ特有の事情を汲んだ特殊なノウハウが必要と言えるでしょう。


その観点で言うと、残念ながらこのFS600LEDは、上述した通り「ピンスポの何たるかを理解せずに、ソースフォー等の一般プロファイルスポットの応用として作った印象」が否めません。



まずバランスの悪さが目立ちます。司会等でしばらく同じ位置を照らす場合 (「置きピン」と呼ばれる) 、灯体から手を離したくなりますが、離すとすぐに首が下がってきてしまうので、片手で支えていないといけません。

そして、照射範囲の異常な広さも目立ちます。
18°~26°というのは、ピンスポとしては広すぎます。

通常ピンスポは客席最後部から投光するため、照射距離は相当に長くなります。
このためいくら小規模の会場でも、12°程度あれば十分です。小規模ハロゲンピンの代表例である松村MIP-6、丸茂ERQ-10はともに12°~13°程度の照射角を持っています。


まあこれも悪いことばかりではなく、逆に言えば、アイリスが閉じ切りにならない特徴と併せて、照射距離次第では、何も考えずにズーム最小+アイリス最小にしておけばとりあえず1人分として使えるとも言えます。どうせアイリスが閉じ切らないので、アイリスの途中にテープで「1人分」とか目印を付けなくても使えてしまうわけですね。


そんな「丁度良い」現場がどれほど存在するのか、甚だ疑問ではありますが…


照射範囲が広すぎで、それに伴い明るさも暗いので、学校の体育館でフロントギャラリーから照らすような用途では使い物にならないと思ってよいでしょう。



一方で、本体天面についている操作パネルの機能は悪くないです。内蔵のカラーフィルターは安っぽい原色ばかりですが、賑やかしには使えるでしょう。

また、ズームとピントは本体側面で簡単に調整でき、動きも滑らかです。右側に立ってオペする場合、ちょうど操作しやすい位置にあります。

また、LED光源なので当然、素手で触ったり、顔を近づけて照準を取っても火傷しません。
FS600LED_03
▲照準器は自作品を磁石で付けています。照準についてはくらげさんのブログを参照のこと。



照射範囲のことも踏まえ、学校関係なら、照射距離の短い小さめの教室で音楽ライブなんかをやる場合、ちょうど良いスペックかもしれませんね。

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