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舞台照明用灯体の OEM製造について

OEM(オーイーエム、: original equipment manufacturer)というのは、簡単に言うと
「A社の製品を、型番だけ変えてB社ブランドとして売る」
ような製造・販売方式を指します。

なぜそんなことをするのかというと、供給元も供給先も、経済的にお互いメリットがあるからです。電子部品や自動車産業などではごく一般的に行われています。
詳しくは Wikipedia の「OEM」に関する項目をご覧ください。

たとえば、日産の軽乗用車「モコ」は、実際にはスズキが製造しています。

この「他社製品を自社ブランドとして売る」OEM方式は、国産照明機材でも行われているらしい
ということが、「灯体データベース」を作る過程で、明らかになってきました。

代表的なところでは、

  • 東芝ライテック…RDS(龍電社)を吸収する前に、松村電機の灯体を型番だけ変えて売っていたらしい。
  • オーデリック(オーヤマ照明)…日照の灯体を型番だけ変えて売っている。
  • 大光電機…同じく日照の灯体を型番だけ変えて売っている。かつては明光社の灯体を扱っていたっぽい。

辺りがあります。

ただ、メーカーはこのことを大っぴらには公開しておらず、OEM先の型番で検索してもなかなか情報が得られません。

そこで、OEM灯体の一覧を作ってみました。
旧機種など、まだまだ謎に包まれている部分が多いですが、分かり次第更新していきます。


東芝ライテック←松村電機
分類 元の機種名
(松村電機)
OEM先での機種名
(東芝ライテック)
備考
500W平凸 TS-CI0561 ハロゲンであることはほぼ確実。CI-6H か?
1kW平凸 TS-CI1081 ハロゲンであることはほぼ確実。CI-8H か?
500W平凸 CS-6 TS-CI0562  
1kW平凸 CS-810 TS-CI1082  
500Wフレネル TS-FI0561 ハロゲンであることはほぼ確実。FI-6H か?
1kWフレネル TS-FI1081 ハロゲンであることはほぼ確実。FI-8H か?
500Wフレネル FS-6 TS-FI0562  
1kWフレネル FS-810 TS-FI1082  


オーデリック(オーヤマ照明)←日照
大光電機←日照

分類 元の機種名
(日照)
OEM先での機種名
オーデリック
(オーヤマ照明)
OEM先での機種名
大光電機
(DAIKO)
備考
500W平凸 NHS-6114B OE 855 412
(ES-412)
旧機種
200W平凸 NHS-6612W
NHS-6612K
OE 031 021
OE 031 022
現行機種
300W平凸 NHS-6613W
NHS-6613K
OE 031 023
OE 031 024
現行機種
500W平凸 NHS-6614W
NHS-6614K
OE 031 025
OE 031 026
DSE-53947
DSE-53949
現行機種
1kW平凸 NHS-6204 OE 031 035 現行機種
500Wフレネル NHS-6307
(AF-58161B)
DSE-51683 旧機種
200Wフレネル NHS-6605W
NHS-6605K
OE 031 027
OE 031 028
現行機種
300Wフレネル NHS-6606W
NHS-6606K
OE 031 029
OE 031 030
現行機種
500Wフレネル NHS-6607W
NHS-6607K
OE 031 031
OE 031 032
DSE-53948
DSE-53950
現行機種
1kWピンスポ NHP-5401 OE 031 033 現行機種
関連するタグ: [ 2014/04/18 22:37 ] 灯体データベース |

これは、メーカー関係者しか知らない話題だと思うのですが、あまりおおっぴらに語るのもねという話なんですよ。
実は私は某R社で開発業務をやっていたのですが、そこで上司に教えてもらった話。

劇場やスタジオなどの照明設備納入案件というのは、ゼネコンが仕切っている要素が強く、表向きは入札と言う形を取っているのですが、いろいろ大人の事情や談合まがいのことが行われており、例えば、大ホールと中ホールが併設されている大規模な劇場(県営ぐらいの規模)なんかだと、一社で大と中を受注というのが表向きは出来ているのだけど、A社が総合受注して、大ホールはA社、中ホールはA社からライバルメーカーB社に発注してそこからそちらの会社の製品が納品されるなんてことがざらにあります。また、そういうことで、銘板ラベルだけが受注会社の名前の物に張り替えられるなんてことも多いので、いろいろな型番の元はアレ。みたいな物が存在するのです。

私がいた会社では、その当時は劇場では弱小勢力だったけど、調光装置一式やホールの舞台以外の部分で値段競争では強かった東芝電材(東芝ライテックの前身)が受注して、RDSの灯体に東芝の銘板を貼って出していると言うのが結構ありました。同様に東芝バージョンや松下バージョンだけど、丸茂のFQなんてのも今でもそれなりに見ますね。
ということで、OEMは日照が家庭、店舗向け照明機材会社にOEMで出していたぐらいか、日本応用光学の小型カッタースポットとかぐらいですかね。
日照は板金技術はそれなりにあったようですが、調光機や光学設計のノウハウが全くダメで、舞台業界では相手にされていないという印象でした。カラオケとか、ショーパブとかそういう方面がメイン市場だったようです。

あとは発注主が名指しで指名の灯体を指定した場合、悔しいがライバルメーカーの製品をこれまた銘板を替えて納品と言うのがたまにあります。昔だと、ITOとか、いまでもメーカー納品のソースフォーとか、東芝(旧RDS)のディスクマシン関連とか。ただ、技術者としては性能の差でちょっと悔しいですが、営業担当は横のつながりがあるので、他社同士製品の融通はそんなに珍しいことではないのが、この業界の不思議なところです(笑)
[ 2014/11/03 05:20 ] [ 編集 ]

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