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公演会場を把握しよう

公演会場が決まったら、その会場の環境(広さ、電気設備、照明機材など)についての情報を得るのも、照明さんの大事な役目です。

公演会場の分類

当ブログでは、公演会場を大きく(A)仮設の現場、(B)常設の劇場、の2つに分けて考えています。さらに(A)(B)それぞれを2つに分け、合計で(A-1)(A-2)(B-1)(B-2)の4種類に分けて考えています。

それぞれの特徴を載せておきますので、ご自分の公演会場がどの種類に属するか確認してみてください。

 

(A)仮設の現場…ふだん劇場でない場所のこと。「仕込んでいない状態では、舞台照明設備は何もない

(A-1) 教室など小空間

(A-2) 野外、廃工場などの大空間

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  • 60W~500W程度の小規模な灯体を主に使う。
  • 照明の電源は、家庭用コンセントから取る場合がほとんど。
  • 「多目的室」などの何も無い空間もここに分類される。
  • 500W~1kW以上の、舞台用灯体を主に使う。
  • 分電盤の主幹ブレーカーに電気工事をして、照明用電源を取ることが多い。

 

(B)常設の劇場…劇場として作られた建物。「仕込む前から、舞台照明設備がある

(B-1) 小劇場

(B-2) 公共ホールや大劇場

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  • 客席数30~60程度の小さな劇場。
  • 舞台や客席の位置を自由に決められる空間である場合も多い。
  • 照明用バトンは天井に固定されている。
  • 仮設と常設の中間的な状態であることも多い(仮設用機材をそのまま常設にしてある場合など)。
  • 市民会館などの公共ホールから、国立劇場などの大規模劇場まで。
  • 照明設備は決まった場所に常設されている。
  • 照明用バトンは降りてくる。
  • 学校の体育館や講堂のステージは、これの規模縮小版と言える。
    (ただし、備え付けの照明設備を無視して完全仮設する場合は、仮設の現場になる)


なぜ、このような分類を?

従来の照明関係の教本などは、主に「(B-2)公共ホールや大劇場」での公演を前提に書かれたものがほとんどで、学生劇団やアマチュアの団体が遭遇するであろう、「小劇場」や「劇場でない空間」を視野に入れた文献はほとんどありません。

果たして、このままで良いのでしょうか?

もっと「小劇場」や「劇場でない空間」を視野に入れた照明知識の共有がはかられても良いのではないでしょうか?

 

「劇場に行けば立派な照明設備が待っていて、照明バトンが降りてきて…」という環境は、決して当たり前のものではありません。

そこで、このブログの他の記事でも、上に挙げた4つの分類をベースに、多様な公演会場を想定した解説を試みていきたいと思っています。

 

もちろん、すべての公演会場が上記4つの分類におさまるわけではありません。中間的な性質の会場もたくさんあることと思います。しかし、上記4つの分類をベースに、少し考えを巡らせれば理解できるかと思います。その辺りは、各自で補っていただければと思います。

照明さんが確認すべきこと

照明さんが確認しておくべきことも当然、公演会場の種類によって違います。

 

(A)仮設の現場

  • 会場の広さ、寸法入り図面
  • 電気容量、コンセントや分電盤の位置
  • 灯体をどのように設置するか(照明用スタンドを使う、工事用足場などを組み立ててバトン代わりにする、机の上や脚立に置く、などなど…)
  • 調光ユニットをどこに、どのように、何回路設置するか

 

(B)常設の劇場

  • 会場の広さ、寸法入り図面
  • 電気容量、調光回路の数、常設照明用コンセントの位置と数
  • 劇場に置いてある機材の特徴・使い方

 

それでも、仕組みは同じ!

公演会場の種類が異なれば、当然、本番を迎えるまでに照明さんがするべき仕事の内容も少しずつ変わってきます。

しかし、意識しておくべきは、「どんな会場でも、調光(=灯体の明るさを変えること)の仕組みは同じである」ということです。

「フェーダーを操作すると明るさが変わる」という行為には、必ず「調光卓」と「調光ユニット」という2つの機材が関わっていて、これは会場の種類に関係なく同じ仕組みです。

 

会場の種類による違いとしては、次のように考えるとよいでしょう。

 

  • (A)の仮設の現場では何も無いので、調光卓・調光ユニット・灯体などすべて持って行かなくてはならない。
  • (B)の常設の劇場では、それらが使いやすい状態で固定されているというだけ。
  • 仮設か常設かの違いはあっても、仕組みは全く同じ。作業内容が少し違うだけ。

「0からの仕込み(仮設)」と「1からの仕込み(常設)」と考えても良いかもしれません。

 

このことを意識しておくと、普段とは違う種類の会場で公演をすることになった時も、多少は気が楽になると思います。

 

調光(=明るさを変えること)の仕組みについては、まずは【調光の基礎知識】セクションにある3つの記事をお読みください。その後このページに戻ってくれば、より理解が深まるはずです。

【調光の基礎知識】
調光卓と調光ユニット
調光ユニットの役割
調光回路の数え方

 

 

 

【画像出典】

(A-1)教室の画像:きまぐれアフター 様 http://www5d.biglobe.ne.jp/~gakai/

(A-2)野外演劇の画像:個人撮影

(B-1)小劇場の画像:人間座スタジオ 様 http://ningenza.com/studio.php

(B-2)公共ホールの画像:出典不明

タグ: | カテゴリ:照明知識大全 [ 2014/03/26 02:38 ]

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