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【機材紹介・雑談】「6インチで1kW」の灯体たち

6インチ=500W
8インチ=1kW

で覚えていませんか?

数は少ないですが、「6インチで1kW」という例外もあるのです。


まずは平凸レンズのスポットライトから。
平凸の6インチ1kWは、古い機種が多いです。
8インチの平凸レンズが高価だった・重かった時代に6インチが採用されることが多かったと見えます。


丸茂電機 TH-1000W

 (平凸レンズ・6インチ・1kW)
TH.png
画像引用元:丸茂ライティングニュース1969年1月号

【機種名】TH-1000W
【メーカー】丸茂電機

【製造年代】1935年(*)~1960年代?
【レンズ径】6インチ
【適合電球】1000W白熱電球/E39口金

【電球の例】G100V1000W、EG100V1000W(エコラム)、JP100V1000WB/E(ハロゲン)


【小回り】 ★★★★☆ (独断と偏見による)

*発売年は、日本照明家協会(1993)『日本舞台テレビ照明近代史』による。

この画像の頃、丸茂電機は既にCEC-1000Wなどの8インチ1kW平凸を作っていましたが、この画像引用元の記事(機材の宣伝記事)に
限られたスペースの吊下げなどに軽くて簡単な調整によって使用することのできるスポットライトです」
とあるように、お手軽さをウリにしばらく販売され続けたようです。
確かに、CEC-1000Wは重さ9.1kgTH-1000Wは4kgと書いてあり、本当であれば今でも通用する軽さです。
さながら、1kW版ベビースポットといった趣きでしょうか。


松村電機 CK (CK-6)

 (平凸レンズ・6インチ・1kW)

(画像未発掘。携帯かデジカメのどこかにあったはず…)

【機種名】CK-6
【メーカー】松村電機

【製造年代】1960年代?
【レンズ径】6インチ
【適合電球】1000W白熱電球/E39口金

【電球の例】G100V1000W、EG100V1000W(エコラム)、JP100V1000WB/E(ハロゲン)


【小回り】 ★★★☆☆ (独断と偏見による)

TH-1000Wの松村版といった感じです。母校の高校の演劇部倉庫から4発ほど見つかりました。
こっちはけっこう重かったような記憶が…
1966という刻印があったので、1966年製造なのでしょう。
ちなみに同じ場所からBF-8という8インチ1kWフレネルが見つかりました。
こちらも1966と刻印があることから、フレネルレンズの方が先に8インチが主流になったことが窺えます。


松村電機 MS-G-6

 (平凸レンズ・6インチ・1kW)
sIMG_0571.jpg

【機種名】MS-G-6
【メーカー】松村電機

【製造年代】1970年代?
【レンズ径】6インチ
【適合電球】1000W白熱電球/E39口金

【電球の例】G100V1000W、EG100V1000W(エコラム)、JP100V1000WB/E(ハロゲン)



こちらは全然コンパクト指向ではなくて、図体だけはいかにも1kW!って感じのビッグサイズですが、
レンズ周りだけ6インチ仕様になっています。1970年代(詳細は忘れました)の刻印があったので、その辺りの年代のものでしょう。

ちなみにこの世代まで、松村の灯体は「凸のレンズ径はフレネルより一回り小さい」を貫いていたようで、
500W平凸:5インチ 500Wフレネル:6インチ
1kW平凸:6インチ 1kWフレネル:8インチ
となっています。



お次はフレネルの6インチ1kW
こちらは平凸とは対照的に、新しい機種ばかりです。

RDS 「プリモスポット」LPS-10

 (フレネルレンズ・6インチ・1kW)
sIMG_0622.jpg sIMG_0625.jpg


【機種名】LPS-10
【メーカー】RDS(現・東芝)

【製造年代】?~現行
【レンズ径】6インチ
【適合電球】1000Wハロゲン電球/G22口金/LCL=75mm

【電球の例】GSR10-30、JP100V1000WB/G22


【小回り】 ★★★☆☆ (独断と偏見による)


「プリモ」と呼ばれるこいつは、主に撮影スタジオ向けの6インチ1kWフレネルのようです。
撮影スタジオ向けなので、ここで比較していいのか微妙ですが、これを舞台用に使っている劇場を1つだけ知っているのでまあ良いかなと…




松村電機 FX-6

 (フレネルレンズ・6インチ・750W~1kW)
sIMG_0481.jpgsIMG_0482.jpg


【機種名】FX-6
【メーカー】松村電機

【製造年代】1990年代?~現行
【レンズ径】6インチ?
【適合電球】750W or 1000Wハロゲン電球/GYX9.5口金

【電球の例】JP100V750WB/M/GYX9.5、JP100V1000WB/BP (専用電球)
【小回り】 ★★☆☆☆ (独断と偏見による)

現行機種なのですが、イマイチ使い勝手が…。
小劇場ではどこに使ったらいいのかまったく分かりません。

そもそも、何か暗いんですよね、1kWのくせに。タッパの低い小屋で太陽の照りつける感じが欲しくて、PARやFQ-1000じゃデカくて目立つのでこれを吊ってみたのですが、PARにしておけばよかったと後悔。

まあ6インチだし暗いのは仕方ないかなと思ってレンズを見ると…

sIMG_0478.jpg

お前、本当に6インチか?(笑)

6インチのボディの中に4.5インチぐらいのレンズが入ってる感じが…
電球も専用だし、どうするんですかね、これ。


ところで、丸茂電機と松村電機で「750W」の扱いが違うのが面白いです。
丸茂は「500W・750W両対応の灯体」を作っていて、
松村は「750W・1000W両対応の灯体」を作っている、という。



というわけで、6インチの1kW特集でした。

タグ: | カテゴリ:灯体データベース [ 2013/11/15 23:44 ]

はじめまして。
東京で照明とかやっている者です。

松村のFX-6ですが、一時期、松村もテレビスタジオに納入物件を増やそうと、テレビスタジオ向け機材を作っておりました。
で、FX-6は東芝のLPS-10と同じポジションの灯体として開発されています。

小型テレビスタジオは、思っているよりも天井が高くなかったりして、小型6インチで1kwというのがそれなりに要求されるのです。
また、レンズの特性もちょっと違っていて、フレネルでも、撮影用照明として最適になるようにピッチが細かく、とにかく奇麗にボケる柔らかい明かりを追求しています。ので、しぼっても絞りきれなかったりします。
絞るならFI-6のほうが奇麗だったりします(笑)

明るさは、糞松村とは思えない、次世代の設計で、リフレクタはガラスダイクロイックコートだったりしますので、ドンバラに近い状況で使うならだいぶ明るさは取れますが、絞るとダメダメです。LPS-10も同様な傾向なので、撮影用スタジオ特化型と考えたほうがいいかもしれません。
うちでも撮影用照明機材として、4発ほど所有していますが、珍しいことに、実はこいつGYX9.5なので、500Wの球が使えるんですよ。

1kwと認識されているので、ヤフオクや中古市場では敬遠されているのですが、500W球で、タッパが無い劇場の地明かりやブッチ、バンドア付けてシーリングと言った感じで、ドンバラに近い状態で使えばだいぶ明るくて良い灯体だと思います。
逆にシャープさが欲しい場合は向いてません(笑)FI-6のほうが良いです。
[ 2014/11/03 04:44 ] [ 編集 ]
>むらっきー様

コメントありがとうございます。
やはりFX-6はスタジオ向けでしたか。でも、LPS-10と違って、対になる平凸(CX-6)が存在するのが興味深いです。少し舞台用としても考えているのか、スタジオに6インチ1kW平凸が必要なのか……??

柔らかすぎる印象を受けるのもそのためだったのですね、納得です。暗い印象を受けたのは使い方の問題だったのでしょうか……

GYX9.5かつLCL=55mmということで、Q-spot、CSQ-500Wなどの電球が使えるようですね。500Wで使っている劇場を知っています。
が、うちではこの規格の球を手に入れたらすぐにQ-spotかFS-6に入れてしまうので、当面は1kWとして頑張っていただこうかと…(笑)
[ 2014/11/10 11:07 ] [ 編集 ]
CX6は、導入しているところが少ないのですが、古い劇場や、ちょっと狭めのホールで、フロントの設備が品弱なところの改修向けとして、古い1KW3発と同等の明るさを、4発で広い範囲照らせて同じ明るさがでるよ。消費電力も減るし、既存の回路使えるしどうですか?という感じで売り込まれたという話で、逆にそれ以外の用途では見たことないですね。
一時期、松下も6インチ1kw灯体を同じように売り込んでいた時期もありましたが、6インチの灯体サイズだと、放熱設計が難しくて、アルミ製にしてボディ本体全体で放熱しないとつらいので、そういう事もあってなかなか普及してませんね。
また、電球の消費電力関係なく、絞った時だと、レンズのサイズは大きいほどロスが減りますので、すると、1kwだと8インチが妥当と言うのが導き出されて今に至っているのだと思います。
昔、電球が暗かった頃の過去のモデルでは、シーリング用に絞って使っても明るさが落ちにくくなるように10インチレンズを使った物もありました。今でも2CLとかで使ってる所もありますね。
[ 2014/11/10 12:14 ] [ 編集 ]

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