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全手動~3段プリセットのキューシートは「差分」だけ書けばいいと思う

高校演劇とか、記憶無しの全手動~3段プリセットを使うことがまだまだあるようですが、
どこの本に載っていたのか、こういうスタイルのキューシートが全国的に多い気がします。

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この、全チャンネルのフェーダーレベルを横に並べたスタイルのキューシートは、照明プラン全体の俯瞰には良いのですが、
これをそのまま本番のオペ席に持ち込まない方がよい、という話です。



暗いところの視野を考えると

上記のようなスタイルのキューシート全体を否定するわけではありません。
当然、照明操作を最も俯瞰的に眺めることができるので、プランニング段階では意義はあると思います。

また、実際の操作もある程度はできます。
私も、いまだにディムパックが置いてある劇場でオペレートを行ったときは、同じスタイルで本番用キューシートを作成し、ミスなくオペを行うことができました。

しかし、おそらくディムパック程度=最大15ch程度が、このスタイルで本番を行える限界だと思います。

なぜなら、調光室は暗いからです。

手元灯だって、日常生活で新聞を読むときの照度には到底届きません。

すると、単純に視野と視力が下がります。

おそらく、パッと見でまともに内容判別できるのは、これくらいの範囲じゃないでしょうか。

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こうなると、紙面の右下に行くにつれて、「どのチャンネルの数字なのか」「どのキューなのか」が全く分からなくなっていきます。
これを本番中の舞台を見ながらオペレーションしていくのは、なかなかに辛いと思います。


よって、こういう場合、「プラン段階まではこれで書いてもよいが、本番オペレーター用は別のスタイルで記述するべき」であると言えます。
「本番オペ用キューシート」の理想は、「視線移動と思考量をいかに減らすか」でしょう。
「見た情報」と「操作する手の動き」がリンクしやすい書き方をするべきです。



差分=「変化のあるところ」だけ記述すればよい

上記のような考え方に沿って、私が高校生の頃に作成したスタイルを紹介します。

これは典型的な3段プリセットの調光卓のために書いたものです。

名付けて「差分法」。
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②/10 というのは、「フェーダー番号2番を100% (一番上) まで上げる」の意味です。
手動操作の場合精度があまり出ないので、明るさレベルは原則10段階で記述します。特にこだわりのあるところだけは「.5」を使ってもいいですが…

書いていない番号は触らない、つまり3段プリセットの場合は「0」を意味します。

これを左から読みながらフェーダーを組んでいくと、「2番が10、4番5番が10、7番が10、飛んで…17番が7、21番が5」
というように、最小限の視線移動で段を組むことができます。


つまり、「一度照明の「絵」が決まってしまえば、『オペレーターモードの脳みそ』にとってはこの情報以外は不要」という考え方に基づいています。

(もちろん、舞台上の動きと調和した情緒あるオペレーションをするためには、何のシーンのどんな「絵」なのかは知っておく必要がありますが、それとは別の話です)


基本は1シーンに1枚、単語帳のように作っておけばよいと思いますが、連続するシーンのために欄を追加してもよいでしょう。
3段以上のプリセットの場合、2つ以上先のシーンを予め作っておけるので、1枚の紙で「盤面全体」を再現する書き方にしてもいいかもしれません。
混乱しそうな場合、「何段目でこのシーンを作るか」という情報も入れて、盤面の動きを時間に沿って追体験できるようにすると、イメトレにも役立つでしょう。
この辺りはお好みで。
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しかし、何せ高校生の頃に考えたものなので、もっと良い書き方があるかもしれません。
もし「うちはこうしてるよ」というのがあれば、教えてください。


台本に直接書き込む場合

台本上にきっかけをマークしたものを本番中も読みながら操作する場合でも、この手法は使えます。

2016年の夏ごろに『いいだ人形劇フェスタ』に参加した際、記憶無しの3段プリセット卓を触るのは5年ぶりくらいだったので、
不安すぎて以下のようなフォーマットでキッカケ用台本を作ったりしていました。
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(レベル指定は原則、 0,3,5,7,Full の5段階のみ。3段あるけど原則2段しか使わない。3段目はきっかけが詰まっている時などに使用)



台本上のそのあたりまで差し掛かった時に次段にスタンバイしておくべき内容を緑枠で表記し、
「ここでクロスフェーダーを返す」=「GO!」を桃色蛍光ペンでマーキングしました。


しかし、いきなり台本に書き込むのではなく、本番前日のゲネプロを経るまでは「絵」が変わる可能性が大いにあったため、
一旦高校演劇ライクなフォーマットで書きました。

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この状態で本番前日まで加筆修正して、本番前日の夜に一気に台本に転記したわけです。
(70分前後の演目なので一晩で何とかなりましたが、もっと長い場合大変だと思いますので、おすすめはしません)



以上、まとまりのない終わり方ですが、「記憶無し調光卓の場合、本番用キューシート本番時の暗さと視野と視線移動を考えて作るといいよ」という話でした。
ユーザーインターフェースの話ですね……。

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タグ: 調光卓 | カテゴリ:雑談 [ 2018/06/03 23:39 ]

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