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【照明ケーススタディ】No.12「舞台に面光源があるとインパクトになる」

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

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【公演データ】
本番時期:2013年10月
公演名:象牙の空港 #4 『顔面売買』(作・演出:イトウモ)
会場:人間座スタジオ
筆者の立場:照明オペレーター (プランは、筆者の先輩)

【記事テーマについて】
舞台に、面光源になるオブジェクトがあったりすると、それだけでインパクトが出るなあと思いました。
舞台照明機材は基本的に点光源なので、お客さんに光源そのものを見せられるという点で、面光源は面白みがあります。
この公演では、上の写真にもある4つの柱状オブジェクトの中に電球型蛍光灯(100Wくらいの強力なもの)を1個ずつ仕込んであって、柱の一面だけが障子紙のような材質になっていて光が拡散されて出てくるという仕組みでした。
このような舞台美術は、美術プランナーと照明プランナーの連携が必須ですが、成功すればかなり高い効果を得られると思います。
ここ2~3年で一気に色々な形状のLEDが安価に登場したので、今だったら「調光可能な直管型LED」を使用するような場面ですが、この時は電球型蛍光灯でした。
当然、調光が効かないのですが、わざと調光器に入れて点滅してしまうのを演出に利用したりと、蛍光灯は蛍光灯で良さがありました。

ほかに面光源になりそうな舞台美術としては、「天窓」「巨大なデジタル数字」「床が光る」などがあるでしょう。
ホリゾント幕も、巨大な面光源と言えなくもない?


【その他の感想・知見】
背景に溶け込むような感じで映像が使われていて興味深かったです。映像はVJソフトっぽいものをnanoKontrolで操作していました。
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1枚目の写真の背景に映っている赤い模様は映像です。

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関連するタグ: [ 2017/04/01 03:19 ] 照明ケーススタディ |

【照明ケーススタディ】No.14「わざと壁に当てる地明かり」

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。


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【公演データ】
本番時期:2014年2月
公演名:月面クロワッサン 番外公演 『無欲荘』
会場:人間座スタジオ
筆者の立場:照明プランナー(大学通算27回目)兼オペレーター
仕込み図:
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その他の書類:入れ込み・パッチ表、キューシート

【記事テーマについて】
壁が白い空間において、舞台照明機材を使って何とか空間の広さ、あるいは「日常性」を表現しようとする場合、ダウンライト的にわざと壁に当たる明かりを作るという方法もあります。
冒頭の写真は、その「わざと壁に当てている光」のみを点灯したものですが、いろいろ点灯して基本のシーンを作ればこんな感じです。↓
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また、壁に当たる光を消すことで、違ったイメージも作れます。
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これは夕日が差し込んでくるイメージですが、先ほどの「屋内っぽさ」とは違って、外光が差している感じが強く出ています。
ちなみに、アンバー色の光がまだらっぽく見えるのは、調光ブースの柵の間から光を出しているためです。これも狙ってやっています。

関連するタグ: [ 2017/04/01 03:18 ] 照明ケーススタディ |

【照明ケーススタディ】No.11「白い劇場での照明」

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

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【公演データ】
本番時期:2013年8月
公演名:飴玉エレナ vol.5『夏蜘蛛』(出演・演出:山西竜矢 脚本・共同演出:石井珈琲 演出補助:藤澤賢明)
会場:元・立誠小学校 音楽室
筆者の立場:照明プランナー(大学通算18回目)兼オペレーター
仕込み図:
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その他の書類: 入れ込み・パッチ表照明案を文書で説明したもの、キューシート

【記事テーマについて】
元・立誠小学校 音楽室は、ただでさえ壁と天井が白いです。(と言っても、昭和初期のコンクリート建築のままなので、だいぶくすんだ白ですが)
さらに、今回の舞台美術はすべて白で、白い箱や階段をいろいろなものに見立てて進行していくスタイルでした。

白い舞台を照明するときの注意点は、以下の3つだと思います。

  1. 「ナマ」は無性格な白というよりも、黄色~金色に見えることが(黒や木地の舞台よりも)多い。
  2. 「黒を表現する青」は、使えない。
  3. 反射が強いので、上手く利用すると反射光で顔を取ったりできる。

この公演では、この3項目について黒や木地の舞台との違いをあまり意識できていなかったため、苦労しました。
まず1.については、個人的には「金色」に感じることが多くて、中性的な色というよりは暖色寄りっぽく感じるので、補助的な明かりだからナマでいいか、という適当な考えでナマにしたところむやみに「意味が付いて」しまって困ったことがありました。無性格な色味にするには、#B-2~#B-3あたりを入れておくとよいようです。
一方で、回想のシーンや夏の夕方(まだ夕焼けという感じではないが、少し日が傾いている)の表現がナマだけでできたのは、この演目のノスタルジックな雰囲気と相まって効果的でした。
次に2.については、特に「夜」のシーンで苦労しました。ふつう演劇的には、夜の暗さは青で表現されます。特に黒い空間だと、青はよく馴染んで「暗い」というイメージを与えてくれます。しかし、白い舞台に青を当ててしまうと、どうしようもなく「青!!」になってしまって、黒と言うより青なのです。この時は青系の色は#78と#86を使っていましたが、いっそ早くフィルターが褪せてくすんでくれればいいのに、とか思っていました。
これ以降、青を使わなくても、光量や光の方向などで夜っぽさを表現する方法を研究していますが、いまだ一般解には辿り着けていない感じです。
3.は、当時はあまり考えていなかったですが、今思えば……という程度のものです。無意識のうちに、反射でけっこう明るくなることに助けられていた感じがします。


【その他の感想・知見】

  • この頃はまだ、仕込み図にフィルターの色を書いたり書いていなかったりしています(パッチ表には書いています)。仕込み効率を考えると書いて当然なのですが、当時の周りの学生劇団には書くように教わっている人が少なくて、けっこうシュート(フォーカス)になってから色を入れるような人も多かったです。
  • 図面にある「蛍光灯」は、結局使いませんでした。蛍光灯のちょっと演色性悪い感じやぼーっとした感じが欲しかったのですが、蛍光灯そのもので表現しなくても問題なかったのと、スポットな光が欲しかったことが理由です。
  • フロアもの(コロガシやSS)が無い。そんなに必要な芝居ではなかったですが、あったら幅が広がったかもしれません。未熟感あふれていますね。
関連するタグ: [ 2017/04/01 03:17 ] 照明ケーススタディ |

【照明ケーススタディ】No.6「灯体が限られた環境こそ、記憶卓の導入を」

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

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【公演データ】
本番時期:2012年11月
公演名:猛き龍星『熱海殺人事件 ザ・ロンゲスト・スプリング』 (作・つかこうへい 演出・小西啓介)
会場:京都大学 4共11講義室
筆者の立場:照明プランナー(大学通算9回目)兼オペレーター
仕込み図:
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※学祭の演劇企画専用特設舞台を使うので、照明は基本的に「ありもの」。
カラーフィルターと、一部の灯体(コロガシ凸、PAR64)のみ持ち込みで追加。

その他の書類:キューシート、ピンのキューシート

【記事テーマについて】
京大の学祭には「演劇企画」という枠があって、大講義室に特設舞台を組んで4日間ずっと何かしらの芝居が行われています。
最低限の設備しかありませんが、すでに舞台が組まれているので、駆け出しの劇団や、1回生の未熟な脚本家・演出家が腕を磨くために参加したりします。
照明は、シーリング・ぶっち(タッパが低すぎてトップは作れない)・単サス・バックパー・RGBのフットライト。最低限でかつ汎用性を最優先した構成になっています。
調光卓は例年、ディムパックTZ-10Aが2台です。
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この公演では、丸茂ディムパックをDMX卓でリモート操作する ことに初めて成功しました。よって、ディムパックは単なる調光ユニットとなり、本番中に触っていた卓はシーンセッターというわけです。
と言っても、ケーブル作りが間に合わず、2台あるうちの片方だけしかDMX化できなかったので、シーンセッターとディムパックを両方操作していましたが。

ここで得られた知見は、
このような最低限の灯体数だからこそ、記憶のできる調光卓を使うことが必要」ということです。

こうした簡易な仮設公演では、灯体数が少ないのはもちろん、往々にして調光卓もディムパックであったり、自作品であったりと、全手動操作の調光卓が使われがちです。
しかし、灯体数が少ない環境だからこそ、1灯体に、1回路に、様々な「役割」を持たせる必要があるのではないでしょうか。
たとえば、シーリングとトップの2種類の明かりしかない環境でも、

  • シーリング100%、トップ100%
  • シーリング50%、トップ100%
  • シーリング100%、トップ50%

などなど、明るさの比率を変化させることで様々な印象を観客に与えることができます。これは明るさ変化によって「灯体の“役割”が増加している」と考えることができます。

しかし、全手動操作では、操作のしやすさの都合上、あまりフェーダーの値を細かく指定することができません。
ひょっとしたら、明るさ30%と35%では全く違う印象を与えることができるかもしれないのに、手動操作では5%単位の操作が難しく、その機会を逃してしまうのです。

以上のような理由から、灯体や回路数のリソースが限られた環境であればあるほど、シーン記憶のできる卓を使用して、より繊細な照明シーンを作る必要があるのではないでしょうか。



【その他の感想・知見】

  • 筆者のほかに2人、ピンオペレーターに付いてもらいました。ちゃんとしたハロゲンピン(持ち込みのERQ-10)と、既設のC8フォロー(1kWの凸で追いかけること)をシーンによって使い分けるという、今思うとよくわからないプランを立てていました。ソフトな明かりが欲しければ、ハロゲンピンにぼかしフィルターを入れればよかったと思います。
関連するタグ: [ 2017/04/01 03:15 ] 照明ケーススタディ |

【照明ケーススタディ】No.2「低圧ナトリウムランプの魅力」

※照明ケーススタディは、筆者がこれまでに担当した照明プラン・オペレートの中から、一般化できる知見を紹介するシリーズです。
なるべく汎用性のある知見を紹介していくつもりですが、他の記事群に比べると「個」が強く出ることをご理解ください。

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※写真は低圧ナトリウムランプを使った別の公演のもの。
左奥の歯車の部分が、単サスで抜かれている。

【公演データ】
本番時期:2012年5月
公演名:演劇ユニット遊走子『ゆめみたものは』
会場:京都大学吉田寮食堂(耐震補修前)
筆者の立場:照明オペレーター

【記事テーマについて】
低圧ナトリウムランプという光源があります。ひと昔前のトンネルによく設備されていた、オレンジ色の光を出す光源です。
これを演劇で使うと面白い効果が出せるのです。
低圧ナトリウムランプは、波長で言うと590nm付近の、人間が「あのオレンジ色」に感じる光しか出していません。
結果として同じオレンジ色に見えても、他の波長が含まれているかどうかで、全然見え方が違います。

光源の「演色性」と言って、ある光源で照らした時に物体本来の色をどれくらい再現できるか、という尺度があります。
白熱電球や太陽の光は、紫外線から赤外線まで広い範囲の波長をおおむね均等に出しているので、演色性は「100」です。
私たちが日常使う蛍光灯などは、演色性80~85程度です。その程度あれば、日常生活で違和感を覚えることはありません。
美術館など、色をきちんと見せることが重視される環境では、95程度の光源が使われます。

で、低圧ナトリウムランプはその演色性が大抵「―」と表示されます。
つまり、あまりに演色性が悪いので、もはや演色性などと言う尺度の対象外であるということです。

実際に、低圧ナトリウムランプで照らされた物体は、ほとんど灰色になって全く色が分かりません。

そして、低圧ナトリウムランプで全体を照らしている状態から、特定の部分だけ単サスで「抜く」と、その部分だけ色が復活します
これが非常に美しいのです。特にカラフルな舞台美術・衣装の場合は、そこだけ別世界のように思えます。

この公演『ゆめみたものは』では、終盤に低圧ナトリウムランプで灰色になった世界の中で、メインの登場人物2人がサスで抜かれるシーンがあり、何とも言えない「懐かしさ」「ノスタルジー」「セピア色感」を出すことができました。

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灯体としては、この写真のようなものです。以前は工事現場用機材のレンタル会社が所有していたようで、舞台照明機材のようなアームが付いているので便利です。
中に安定器が入っているので非常に重いです。


注意点としては、水銀灯と同じように放電開始から3~5分かけて安定していくので、最終的な色味・明るさに到達するまでに時間がかかるということです。
また、当然調光もできません。
なので、脚本の進行から「ここからONにすると、良い感じのシーンで完全安定する」というポイントを見つけて、そのタイミングでONにする必要があります。
さらに、作業用の投光器なので非常に広範囲に広がります。これはブラックラップである程度抑制できますが。


ちなみに、この公演の主演だった小西という男は、4年間で3回ナトリウムランプに照らされています(笑)
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関連するタグ: [ 2017/04/01 03:10 ] 照明ケーススタディ |









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